卵巣過剰刺激症候群とは、複数の卵胞が急激に発育、排卵し、卵巣の肥大に伴い、腹水や重症例では胸水と言った症状を来すことです。
その他の症状としては腹部の膨満感や吐き気、呼吸困難などの症状が表れることがあります。
また、最悪の場合には血液濃縮による血栓症が生じ、脳梗塞や腎臓の障害が起きることもあります。
このように、卵巣過剰刺激症候群が起こると大変怖いですが、ゴナドトロピン療法はクロミッドなどを用いるクロミフェン療法よりも排卵を起こす確率が高く、不妊治療ではよく用いる方法です。
副作用の表れ方には個人差があります。
薬剤に対して感受性が高い方が卵巣過剰刺激症候群になりやすいですが、使用する方によって薬剤の使用量なども異なりますので、重い副作用が起きる危険性がある危険な薬剤だと決めつけることもありません。
医師と共に経過をよく観察すること、卵巣過剰刺激症候群の症状をしっかり把握し、異常を来したらご自分でもすぐに察知できるようにすることが重要です。
異常を来したらすぐに相談できるようにとは言っても、詳しく症状を頭に入れておくと感覚が敏感になってしまい、あらゆる症状が気になってしまいますよね。
卵巣過剰刺激症候群という言葉を知ったとたんに腹痛を感じてしまったり、吐き気がしたり、この頭痛や食欲不振はまさか副作用では?と考えてしまったりする方もいるかもしれません。
それでも、何も気にしないよりは気にしすぎるくらいの方が良いでしょう。
とは言え、ちょっと変化があったからと言ってすぐさま病院に駆け込むのも抵抗があるはず。
上に挙げた症状に加え、急に体重が増えたとか、尿量が極端に少なくなった(一日500ml以下)と言ったような症状に気付いたら医師に相談するか、次回病院で相談できるよう、しっかりと記録を録ってみましょう。
卵巣の肥大に伴い腹水が起こるとお話ししましたが、この腹水は血管の外に水分が出てしまうことで生じます。
排卵誘発剤のhCG製剤により血管透過性が高まり、水分や蛋白質で構成される血漿成分が血管内に漏れてしまうのです。
これにより腹水、尿量の低下が起きますから、初期の段階ではお腹が張る感じや尿の量が少ないと言った症状に注意をしてみてください。
喉の渇きを感じることがありますが、水分摂取は通常通りに行い、水分を摂り過ぎないよう注意しましょう。腹水があった場合、腹水がたまって悪化してしまう可能性があります。
排卵誘発剤の副作用による卵巣過剰刺激症候群は、誰にでも起きるわけではありません。
卵巣過剰刺激症候群になりやすい方の傾向として、以下のようなものがあります。
・多嚢胞性卵巣症候群の方
・35歳以下の若い方
・やせ型の方
・卵巣過剰刺激症候群の既往がある方
ご本人というよりは医師が考慮して薬剤の使用量などに注意すべきことですが、卵巣過剰刺激症候群になりやすい人となりにくい人がいるということは頭に入れておくと良いでしょう。
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