排卵直前に排卵検査をした場合、感覚で言えば陽性反応を示すはずですし、陽性反応を示してくれなければ困るとも感じますよね。
しかしよく考えると、本当の排卵直前では、陰性反応になるか、陽性だとしても薄い反応になることの方が多いはずです。
卵胞が成熟すると、性腺刺激放出ホルモンによる排卵のスイッチが入ります。サージ状の黄体形成ホルモンの分泌が排卵のスイッチとなります。
サージ状というのは大波のようなものをイメージしてもらうと分かりやすいと思いますが、このLHサージが始まってからヒトはおよそ24時間から36時間程度で排卵。
LHサージのピークからは10～12時間程度で排卵と言われています。
もちろん、身体のことですから個人差があったりそのときによってLHサージから排卵までの時間は変動したりすることもあると思います。
しかしこの基本的なリズムの性質を利用して排卵のタイミングを推し量るために用いるのが排卵検査薬というわけです。
排卵直前と言えば、だからLHサージの開始（まだピークとは言えない陽性反応）から36時間後、そしてLHサージのピーク（感度の鈍い排卵検査薬でもはっきりと濃い陽性反応）から12時間後ということになります。
その時点ではLHの分泌は落ち始めているか落ち着いてしまっているので、排卵検査をしても陰性になるか、陽性反応が出ても微妙な濃さだったりするのではないでしょうか。
厳密な話をすると難しいですが、よく考えると陰性か微妙な陽性（本来陽性とは言えない薄いライン）が出る確率が高いと思います。
問題は、この排卵直前の反応が、LHサージの始まりなのか、終わりなのかの区別がつかないということです。
排卵検査の時期を間違ってしまったり、あまり真面目に検査を繰り返していなかったりして、LHサージの終わりを始まりと勘違いしてしまうことはありえると思います。
妊娠の確率がもっとも高いのは、排卵日の二日前（つまりLHサージの始まりの時点でも若干遅いくらい）です。
LHサージが終わりかけるときには、確率が無いわけではありませんがベストタイミングは逃しておりますから、徒労となってしまうこともあります。
その陽性反応がどのタイミングの陽性反応なのかが分からないというときは、同じ日のできるだけ早いタイミングで再検査をすることをおすすめします。
LHサージの終わりの段階に反応した陽性反応だったのなら、再検査時にはしっかり陰性になっているはずです。
