月経の周期が不規則だったり、月経が無かったりという状態が続くと、もしかしたら排卵も上手にできていないかもしれない…という不安に駆られることもあるかもしれません。
すぐに病院に行って相談できれば良いのですが、思い込みが激しいと思われたらどうしよう、反対にすごく重い病気だったらどうしよう、子どもが作れないなんて言われたらどうしようなどと考えると、ついつい尻込みしてしまいますよね。
少しでも自分の身体の様子を知るために、きちんと先生に相談するために、排卵がきちんとできているかどうかだけでも知りたい。
もしかしたらこういう方もいるかもしれません。
結果から言えば、排卵検査薬は無排卵を確認するのには向かない上、根本的に身体に不安があるのであれば、決しておすすめできる方法ではない、と言えます。
女性の月経や排卵のタイミングは、いくつかのホルモンの作用でコントロールされています。
女性の身体の中では、LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞形成ホルモン)という二つの性腺刺激ホルモンの作用によって、エストロゲンやプロゲステロンといった妊娠の準備、継続に必要な女性ホルモンが生産され…という風に、いくつかのホルモンが連動しながら身体のリズムが作られています。
通常は低いレベルで分泌されている性腺刺激ホルモンですが、性腺刺激ホルモンの働きにより卵胞が大きくなると、排卵のために大量のLHが放出されます。
この状態をLHサージと呼び、これが見られるとじきに排卵が起るということになります。
排卵検査薬で知ることができるのは、性腺刺激ホルモンのうち、LH(黄体形成ホルモン)の分泌状況です。
排卵検査薬でLHサージが確認できれば、その後に排卵が起きますので、間接的に排卵を知ることができるのです。
では、無排卵も知ることもできるのではと思いますが、排卵検査薬で察知することができるのはLHサージであって、排卵そのものを察知しているワケではないという点に注意が必要です。
排卵検査薬は、「排卵は起る」という前提の上で、その時期を予測するためのアイテムなのです。
もちろん排卵検査薬が全然陽性にならないという理由で無排卵を疑うこともあるかもしれませんが、LHサージは確認できるのに排卵が来ないというパターンもありますので、排卵検査薬で無排卵かどうかを調べようとしても、いまいち信用はできないということです。
その場合はなおさら、もっとはっきりと分かる方法を選ぶべきです。
例えば月経周期が正常とは違うとか、月経が来ないと言った理由で排卵の有無を気にしている場合。
そもそも月経周期が正常と違うことや月経が来ない原因そのものに目を向けるなのでしょうが、私たちはつい不安に駆られると悪い方へと考えてしまいますから、一直線に「赤ちゃん産めないかも!」と考えてしまうこともありますよね。
病院に行くという決断を別にすれば、女性の身体のことを知るためには基礎体温計を利用した方がいくらか現実的です。
通常、女性の身体は卵胞期、排卵期、黄体期という三つの時期を一定の間隔で繰り返し、排卵期を境にして低温気と高温期の二相に分かれる基礎体温の変化を確認することができます。
基礎体温を記録することで、この体温の変動がキレイに見えれば、身体のリズムに大きな問題は無いと判断することができます。
排卵期には一度ガクッと体温が下がり、急激に上昇するタイミングがあるので、その間に排卵が行われていると確認することもできます。
排卵日を特定するのは難しいですが、排卵の有無を確かめることは可能、ということです。
基礎体温を記録する最大の魅力は、身体のリズムを残しておくことができるので、いざ医師に相談しようと思ったときにどんな不安があるのかを具体的に見せることができるというところです。
無排卵だけが心配なのではなく、「月経周期ももともと不安定な方だし、どこか根本的な問題があるのかもしれない」と考える方は、ただ排卵検査薬で排卵の有無を確かめようとするのではなく、基礎体温を付けながら様子を見た方が病院へ足を運ぶきっかけをつかむという点では効果的でしょう。
ただし、基礎体温を正しく計測するには一定時間以上(4∼5時間)の睡眠後、安静を保った状態で連日に渡って計測する必要があります。
食事や睡眠など、日ごろの生活リズムがそもそも安定していないという方の場合、必ずしも正確な基礎体温を測ることができるか分からないという問題があります。
生活リズムが不規則ならば女性の身体のリズムが乱れる可能性は十分にありますから、緊急性を感じないのであれば、まずは生活リズムを整える、その上で調子が悪ければ迷わず病院に行って健康診断を受けてみてください。
排卵検査薬では、排卵の有無に確信を持つのも難しい上、身体の不調を察することも難しいでしょう。
不安があるのなら、負担には感じるかもしれませんが早い段階で病院に行くのがベストということは覚えておいていただきたいところです。
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